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OpenAIがAI動画専用SNSリリースで世界を変えた!CMやリール動画を一発生成可能なモデル「Sora 2」を提供

他にも...Soraが抱える深刻な著作権問題とは?

NoLang運営チームよりお届けしている、Mavericks AIニュースをご覧いただきありがとうございます!

1. 直近のビッグニュースTop 3

① 動画生成AIにおけるGPT-3.5モーメント。OpenAIが音声付き動画生成AI「Sora 2」をリリース

今後の世界のあり方を根本から変えてしまうような、歴史的な発表だったと言って良いのではないでしょうか。OpenAIが現地時間9月30日、音声付き動画生成AIモデル「Sora 2」及び、AI生成動画のみを投稿・閲覧できる新型SNS「Soraアプリ」をリリースしました。

まずはAIモデル「Sora 2」について見ていきます。以下の投稿を是非、音声ONでご覧ください。

Sora 2モデルは動画生成AIにおける「GPT-3.5」モーメントだとされていますが、Google Veo 3をはじめとする従来モデルと比べて、一体何が革新的なのでしょうか?3点に分けて説明します。

(1) 動画生成AIモデルとしての性能で従来モデルを圧倒

まず際立つのは、物理シミュレーション能力の高さです。器械体操や宙返りなどの複雑な動き、水の波紋や飛沫、帽子の落ち方など、どれを切り取ってみても極めて現実に忠実に再現されています。材質によるボールのバウンドの仕方の違いをも正確に理解できており、こういった基礎的な法則への理解度の高さが、あらゆる動画生成の品質向上に繋がっていると言えます。

また人物や物体に対する再現性・一貫性もずば抜けています。例えばSora 2では特定の人物を動画に登場させることができますが、容姿・喋り声共に極めて正確に再現され、途中で顔が変わることもありません。生成された動画がディープフェイクだと見抜くことはもはやほぼ不可能です(サム・アルトマン氏の例)。

さて、これまで「動画生成AIの進化」というと、ここまで述べてきた純粋な性能向上に着目することがほとんどでした。しかし、Sora 2の可能性はこれに留まりません。

(2) 「動画カット」ではなく「動画作品」を一発で生成可能

従来の動画生成AIの出力は基本的にワンカットであり、あくまで映像作品を作るための「部品」としての位置付けでした。結局、それらのカットを繋ぎ合わせてストーリー性のある動画を完成させるためには莫大な工数が必要であり、さらに品質を上げるためには、テキストアニメーション・ビジュアルエフェクトを追加したり、BGM・効果音などの音声を挿入したりする必要がありました。

一方でSora 2は、私たちが普段SNS、CM、映画で目にするような完成された動画作品を一発で生成できてしまいます。冒頭でインパクトのあるフックを入れる、次々にカットを変えて飽きさせないようにする、余韻のあるエンディングで締めるといった演出が組み込まれた動画が、プロンプトだけから生成できてしまうのです。

現在生成可能な動画長は10-15秒であるため、カバー範囲は主にショート風の動画に限られますが、それでも凄まじい進化です。

(3) プロンプトの二大問題(制御が効かない、作成自体難しい)が劇的に改善

これまで動画生成AIの重大な問題点として「制御性の低さ」が挙げられていましたが、Sora 2では大きく改善されており、動画の展開、物体の配置・動き、さらには音声まで、あらゆる要素を詳細に指定できるようになっています。もちろん完璧ではありませんが、数百字のプロンプトであれば5-8割程度は指示を守ってくれる印象です。

また逆に、「プロンプト作成が億劫なのでとにかくいい感じの動画を作って欲しい」といった要望も叶えてしまうのがSora 2です。「予備校のCM」「アイドルのモーニングルーティン」といった簡潔なプロンプトだけでも、しっかりとした構成・演出が施された動画が生成されます。

詳細な制御と手軽な生成という両極端なニーズ双方に応えられる点が、Sora 2の大きな強みです。

💡 Sora 2は現在、後述するSoraアプリのみで利用可能です。

② 世界中に衝撃を与えた!OpenAIがAI生成動画専用SNS「Soraアプリ」をリリース

Sora 2モデルと同時にリリースされた「Soraアプリ」は、全く新しいSNSです。ユーザーはSora 2を使って無料で動画を生成・投稿でき、それらがフィード形式で流れてくる仕組みとなっています。

つまり「AI生成動画のみが流れてくるSNS」となっていますが、Sora 2の性能の高さもあり、TikTokだと言われてフィードを見せられても、パッと見では信じてしまいそうなレベルに達しています。

Soraアプリでは、テキストや画像からの動画生成に加え、「カメオ」と呼ばれる興味深い機能が提供されています。これは30秒程度の動画撮影だけで簡単に自分のクローンを作成でき、テキストプロンプトにユーザー名を入れるだけで、自分を動画に登場させられるというものです。

自分以外にもフレンドやOpenAIメンバーを登場させることが可能であり、特にCEOのサム・アルトマン氏を登場させた動画は、X上で無数に投稿されています。

さらに「リミックス」機能では、フィードに流れてきた動画に対してプロンプトで指示することで、新しい動画を作ることができます。続きのストーリーを作成してもらったり、「What If…」展開を生成してもらったり、登場人物を変えるなど、自在な変更が可能です。

リリース当初は1日100回無料で動画を生成できた上、1本あたり僅か1-3分程度で動画生成が完了するという手軽さも相まって、招待制であるにも関わらず、リリースから4日目でApple Storeの無料アプリランキング1位を獲得しました。

なおSoraアプリのアカウントはChatGPTアカウントと厳格に紐づいており、ChatGPTアカウントでの利用履歴に基づいたパーソナライゼーション機能が搭載されています。現時点ではあまり有用だと感じられませんが、先月リリースされたChatGPT Pulseをはじめとして、OpenAIがパーソナライゼーションに大きな可能性を見出していることは間違いないでしょう。

💡 Soraアプリは招待制ですが、無料で利用することが可能です。詳しくは次のセクションをご覧ください。

③ AI時代の新しいSNS「Sora」が抱える重大な問題点とは?

一方でSoraアプリはいくつか問題も抱えており、特に著作権の取り扱いに関してはかなりルーズな立場をとっています。

こちらのX投稿にも示されている通り、少なくともリリース直後は有名な日本のIPキャラクターが登場する動画はほぼ例外なく生成できる状態であり、さらに声優の声まで忠実に再現されていました。一方で世界的に見ると、ディズニーやマーベルなど一部企業のIPのみ制限がかかっている不均衡な状態となっていました。

リリース当初、Soraアプリにおける著作権の取り扱いについて、オプトアウト方式が採用されると報じられていました。つまりIPホルダーがキャラクター単位で申請を行い承認されない限り、生成は拒否できないことになり、IPホルダーに極めて不利な条件となっていました。

この状況に対する世間の批判を踏まえてか、サム・アルトマン氏は日本時間10月4日、ブログにて声明を発表し、IPホルダーが今後「IP使用を制御」できるようにする予定であり、またIPホルダーが「IPの使用に応じて収益化できる仕組みを検討」していることを明らかにしました。そして同時期に、それまで使用可能だった一部のIPキャラクターの生成に制限がかかるようになっています。

しかし一連の流れや海外の反応を見るに、OpenAIははじめからこのような市場の反応を想定しつつ、話題作りのために意図的に制限を緩めていたと推察せざるを得ません。実際、ディスニーなど一部の映画スタジオに対しては事前に周知・協議していたとされています。

OpenAIは今回のSNSのリリースにあたり、他にも「いつもと違う」動きを見せています。その中でも特に、AI動画生成のコストがまだまだ低くない今日において、無料でユーザーあたり何十本もの動画生成を許している点は興味深いです。

競合サービスのAPI価格を参考にすると、10秒の動画生成1本に、定価では本来1ドル、あるいはそれ以上の費用がかかっているはずです。OpenAIは先月NVIDIAから1000億ドルの資金調達を発表したばかりですが、執筆時点ではSoraアプリにはマネタイズの要素がなく、今後展開される戦略に注目が集まります。

モデル名

動画生成料金(API)

Google Veo 3 (720p, 1080p)

$0.4 / s

Wan 2.5 (720p)

$0.1 / s

Kling 2.5 Turbo (1080p)

$0.07 / s

Soraアプリは他にも様々な課題を抱えています。例えば、最大15秒の動画しか生成できず、制御も完璧にはできないことから、「面白い (funny)」「癒される」コンテンツは生成できても、一定量以上の情報を正確に伝達することが求められる「有益な」動画を作ることは困難です。

それでも「ユーザーが自らAIで動画生成して投稿する」という全く新しいSNSの形を提示し、まずはリリース一週間で大きな反響を得たことは確かでしょう。あらゆる面で伸び代を残しているこのアプリが、今後どんなムーブメントを巻き起こすのか、注目していきたいところです。

2. SNSで話題のAIツールをピックアップ!

  • OpenAIがリリースした「AI生成動画のみが流れてくる」全く新しいSNS

  • 最新動画生成AIモデル「Sora 2」を使って無料で動画を生成・投稿でき、それらがフィード形式で表示される

  • 30秒の動画撮影だけで簡単に自分のクローンを作成して動画に登場させられる。フレンドやサム・アルトマンを登場させることも可能

  • 10月5日時点で、無料で30回の動画生成が可能だが、招待コードが必要

  • AI検索エンジンで有名なPerplexityが開発した次世代AIブラウザ

  • サイドバーでタブの情報を元にLLMが回答してくれる他、タブに情報がないと判断した場合は自律的に検索で情報を取得してくれる点が画期的

  • ただし使用されているLLMの性能が低いのかハルシネーションも多いことに注意

  • 元々有料ユーザー向けに提供されていたが、先週から無料で利用可能に

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さいごに

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