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OpenAIがAI検索の常識を覆した!新AIエージェント「Deep Research」をリリース、ソフトバンクが企業向けAI「Cristal」を発表など

🐬NoLang運営チームよりお届けしている、Mavericks AIニュースをご覧いただきありがとうございます!

今回は、OpenAIが新たに発表したリサーチAIエージェント「Deep Research」を中心に、インパクトの大きかったAIニュースや注目ツールの紹介について解説します!

1. 直近のビッグニュースTop 3

① OpenAIが全く新しいAIリサーチエージェント「Deep Research」を発表!

OpenAIが新たにAIリサーチエージェント「Deep Research」を発表し、Perplexity, GPT-4o searchといった従来のAI検索ツールよりも遥かに高性能だと国内外で話題を呼んでいます。

Deep Researchは、5-30分の時間をかけて文献調査を行い、その結果を網羅的なレポートとしてまとめ上げます。POST代表の梶健人氏によれば、「ジュニアレベルのリサーチャーがまとめた文章のように一定の主張や論旨のもとにレポートが仕上がっている印象」であり、一部の研究者からも、極めて高いサーベイ能力を有していると絶賛されています。

GPT-4o searchが「数回のGoogle検索」を自動化するツールに過ぎないのに対し、Deep Researchは「本来数十分から数日を要するリサーチ業務」を自動化することができます。そのため、人間は別の作業をしながら回答を待つことが想定されています。

ただしDeep Researchにも限界があり、検索能力や要約能力こそ卓越しているものの、文献情報の真偽を判別する能力は決して高くありません。学術研究における文献調査(X)や、試験対策のための情報収集(X)など、情報汚染が進んでいない領域においては専門家レベルの回答ができますが、そうでない領域においては誤情報を多く含んだ回答をすることも珍しくありません。

OpenAIはDeep Researchの主なユースケースとして、「金融、科学、政策、エンジニアリングといった分野での集中的な知識作業」「車、家電、家具など、慎重なリサーチを必要とする購入を挙げています。次節では、Deep Researchの革新的な点について実例を交えて解説しつつ、今後の発展のシナリオについても探っていきます。

💡 「Deep Research」はProユーザーに向けて月100回の利用制限で提供されています。今後Plus, Proユーザーに向けて、さらにその後Enterpriseユーザーに向けても提供を開始すると述べられています。
また、より小型なモデルを使用したバージョンのDeep Researchを、全ての課金ユーザーに向けてまもなくリリース予定とも述べられています。

② Deep Researchはなぜ既存ツールと一線を画しており、どのように世界を変えるのか?

Deep Researchの興味深い機能の一つに、ユーザーとの対話を通じて調査範囲を絞り込む「逆質問」があります。例えば「初心者としてスノーボードに行きたいがどのようにゲレンデを選んだらいいか」という漠然とした質問に対して、Deep Researchは「予算」「移動手段」「滞在日数」といった具体的な条件を確認し、ユーザーが本当に求める情報を的確に把握していきます。

①Deep Researchに「初心者としてスノーボードに行きたいがどのようにゲレンデを選んだらいいか」と質問すると、「逆質問」により要件を深掘りされる。ここでは「関東から一泊」「新幹線」「予算3万円」と回答した(続く)

そして最も革新的なのが「検索作業と思考作業が統合」されているため、試行錯誤を伴うwebブラウジングを遂行できる点です。例えば、「関東から一泊」「新幹線」「予算3万円」という条件を提示してゲレンデを調べさせたところ、はじめは条件に合わない場所がリストアップされますが、その結果を踏まえて再度検索を行い、見事に新幹線駅直結のゲレンデを発見しています。まるで人間のブラウジング過程を見ているようです。

②Deep Researchの思考、検索過程(一部抜粋し、結合して2列で表示)(続く)

これは、既存のAI検索ツールとは一線を画すものです。GPT-4o searchをもちろん、Gemini Deep ResearchやFeloといった従来のツールは、基本的にweb文献をリストアップした後に要約するだけで、「検索作業と思考作業が分離」されていました。一方でDeep Researchは、検索結果が回答に十分かどうか評価し、不十分と判断した場合は追加でweb検索を遂行することができます。

③Deep Researchの回答。「初心者」「新幹線」「関東から一泊」「予算30000円」といった条件がしっかりとクリアされている(一部抜粋し、結合して2段落で表示)

Deep researchにはどのような技術が用いられているのでしょうか?OpenAIは、o3(未発表)をブラウジング等の実世界タスクで、o1と同じ方法で強化学習させることによりこのような性能を実現したとしています。o1が「じっくり考える」術を習得したことで広範なタスクで飛躍的な性能向上を実現したように、Deep researchは「じっくりブラウジングする」術を習得したことで、並外れたリサーチ性能を達成できたと言えます。

さらにOpenAIも述べているように、Deep Researchの応用範囲はweb検索に留まりません。特に企業の社内データと結合することで、業務や意思決定に必要な社内情報を誰でも簡単に収集できるようになります。従来のRAGシステムよりも遥かに高い精度で資料情報を取得できる可能性があり、更なる発表が待たれます。

現時点でDeep Researchは、あくまで「web情報を網羅的にまとめる」ことしかできず、「新しい発明はできない」という限界こそありますが、OpenAIが定める5つのAIの発展段階においては、「Agents」の次は「Innovators」とされており、同社は間違いなく、そう遠くない将来にこの課題を解決することを視野に入れているでしょう。

③ ソフトバンクグループがOpenAIと合弁会社を設立、さらに企業向けAI「Cristal」を発表

ソフトバンクグループが、OpenAIと50%ずつの折半出資で合弁会社「SB OpenAI Japan」を設立し、さらに企業向けAI「Cristal Intelligence」を展開していくことを発表しました。同社はOpenAIに対して30億ドル(約4500億円)の出資も実施し、ChatGPT Enterpriseをはじめとする、OpenAIのソリューションを自社グループ内に展開していく方針です。

孫正義氏及びソフトバンクグループの発表によれば、Cristal Intelligenceは社内のあらゆるデータを「長期記憶」し、財務資料作成から顧客問い合わせ管理、基幹システムのコード更新まで、幅広い業務プロセスを自動化できるとされています。しかし、具体的な仕様や技術詳細は明らかにされておらず、現時点では構想段階である可能性が高いと見られます。

Cristal Intelligenceの概要説明
ソフトバンクグループ

孫正義氏率いる同社は他にもOpenAI, NVIDIAらと共にStargate Project」と呼ばれる米国での次世代AIインフラ構築プロジェクトにも参画し、今後4年間で5000億ドル(約78兆円)の投資を計画しています。かつて孫正義氏がスティーブ・ジョブズ氏との密接な関係構築によってiPhoneの国内独占販売権を獲得したように、OpenAIとの連携を通じて生成AI分野でも同様の影響力を確立できるか、注目が集まります。

ドナルド・トランプ氏が孫正義氏、サム・アルトマン氏(OpenAI)、ラリー・エリソン氏(オラクル)と共にStargate Projectを発表(BCC

2. SNSで話題のAIツールをピックアップ!

  • テキストや資料を入力して、スライドやWebページを自動生成できるデザインAI

  • 今月新たにInstagramやTikTokなどのソーシャルメディア用のデザインを生成できる機能が追加

  • 生成後の編集UIも非常に優れており、好みのレイアウト、インフォグラフィックに簡単に変更できる

  • Googleログインで無料でも試すことが可能

Google スプレッドシート(https://docs.google.com/spreadsheets/create?hl=ja)

  • Googleスプレッドシートに実用的なAI機能が新しく追加

  • csvファイルからインポートするなどして表を入力した後に、右クリックを押下して「テーブルに変換」を選択するだけで、下記画像のような綺麗にフォーマットされ、列の型やプルダウンも適切に設定された表が生成される

  • さらに「Geminiで分析」を選択すると、グラフをプロットした上で詳細な統計分析をしてくれる

  • 以下の手順でChatGPTとの連携も可能:ChatGPTに表形式の回答結果を「csv出力して」と命令→ダウンロード→スプレッドシートにインポート

さいごに

最後までお読みいただきありがとうございました。今週はNoLangの特集をお休みさせていただきました。
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