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Adobeが日本人を最もリアルに生成できる新たな画像生成AIをリリース!

Gensparkが「高品質かつ編集可能なスライド」を生成できる新機能をリリース!

NoLang運営チームよりお届けしている、Mavericks AIニュースをご覧いただきありがとうございます!

1. 直近のビッグニュースTop 3

① 日本人の広告素材を最もリアルに生成。Adobeが新画像生成AIモデルをリリース

4月24日、Adobe社が新画像生成AIモデル「Firefly Image Model 4」をリリースしました。Google ImageFXと同等かそれ以上に日本人の描写が得意であるほか、特にビジネス用途のイメージ写真の生成に強いと大きな話題を呼んでいます。

以下の比較を見れば一目瞭然ですが、背景のぼかし方やライティングがGoogle ImageFX、OpenAI GPT-4oと比べて自然であり、ストック画像サイトから取得してきたと言われても疑いようのない品質でしょう。

Firefly Image 4, ImageFX, GPT-4oによる同一プロンプトでの生成結果比較。

Adobe社は「Fireflyは、Adobe Stockなど使用許可のあるコンテンツでトレーニングされており、安全に商用利用できるように設計されています」と述べており、ストック素材サービス「Adobe Stock」を保有していることが同社の優位性に繋がっていることは間違いないでしょう。

一方で、Adobe Fireflyも万能な画像生成AIモデルとは言えません。「画像の破綻」が競合サービスに比べて明らかに多く、とりわけ手の映る画像生成は苦手としています。

Firefly Image 4による生成結果。
プロンプト日本語訳「モダンなオフィスでハイタッチをする20代の日本人ビジネスマンとビジネスウーマン。手ははっきり見える、自然な笑顔、ソフトな背景ぼかし、リアルな写真、文字なし。」
ありえない位置から腕が出現しているほか、左の男性と思われる人物にポニーテールがついているのも不自然。

また、これは画像生成AIモデル全般に言えることですが、「見慣れない構図・シーン」における生成品質は低く、また「生成画像の多様性」も限定的なのが現状です。テニスやゴルフなどスポーツシーンの生成はどの画像生成AIモデルも苦手としているほか、以前検証したようにGoogle ImageFXではシーンを固定すると同一人物が生成され続けることがあります

男女がテニスのシングルス戦を繰り広げる様子を再現しようとしたが、ImageFXでは2人がコートの同じ側に立ってしまい、ボールの位置も不自然。Fireflyでは2つのテニスラケットが合体してしまった。

とはいえ、Adobe Stock内の画像の45%以上がすでにAI生成画像になっている(Adobe Stockより筆者算出)など、AIが多くの場面で実用レベルの画像を生成できることは事実です。専門家の間では2040年ごろに画像データが不足し始めると予想されていますが、少なくとも今後しばらくは、画像生成AIの性能は向上の一途を辿るでしょう。

💡 Firefly Image 4は現在、無料で試すことができます。詳しくは次のセクションをご覧ください。

② Gensparkが「高品質かつ編集可能なスライド」を生成できる新機能をリリース!

Gensparkに新たにスライド生成機能が追加され、プレゼンテーションの作成からシンプルな編集、そしてダウンロードまでを一気通貫で行えるようになりました。

生成されるスライドの品質はトップレベルであり、これまでのスライド生成AIでは痒くても手が届かなかった部分にもしっかりと対応できている印象です。是非以下のデモ動画にて成果物のクオリティをご覧ください。

Gensparkのスライド機能の特筆すべき点として、デザインセンスが高く、画像や動画を適切に配置してくれる点が挙げられます。

例えば「NoLang for Businessについて調べて、法人向けにプロダクト紹介スライドを作成して」といった簡潔なプロンプトを入力し、得られた出力を微修正するだけで、以下のようなスライドが得られます。webページからNoLangのロゴや生成動画サンプルのGIFといったビジュアル要素を収集した上で、適切にレイアウトしてくれていることがわかります。

Gensparkで作成されたスライド例。1, 2枚目については「サンプル」を加えた以外一切手直しをしていない。3枚目についても「サンプル」の追加、不要なブロック削除とそれに伴うオブジェクトの位置修正、文言修正のみである。

そして最も注目すべき特長は、生成後の編集のしやすさにあります。AIによる修正指示はもちろんのこと、テキスト部分については修正箇所を指定して手直し可能です。

そして実は、Figmaが先月正式リリースしたスライド作成ツール「Figma Slidesと組み合わせることで、Gensparkが生成したHTMLスライドを、オブジェクト位置も編集可能なスライドに変換することもできます。

Figma SlidesはHTMLと完全な互換性があるわけではありませんが、「html.to.design」などのプラグインを介してHTMLをFigmaデザインに変換し、それをFigma Slidesにコピーするという2段階のプロセスを踏むことで、極めて高い再現度で編集可能なスライドに仕上げることができます

Genspark, Claude ArtifactsといったAIツールで作成したHTMLは、Figma Slidesに互換性高く取り込め、PowerPointのようにオブジェクト位置の修正や文言修正が可能である。

Figma Slidesは残念ながらPPTXとの完全互換性がなく、PowerPointやCanvaといった他のプレゼンテーションツールとの併用が難しいという欠点があります。また操作方法も複雑なため「玄人向け」のツールと言えますが、HTMLベースのAIスライド生成の実用性が日に日に向上していることを踏まえると、今後はHTMLとの親和性が高いスライド作成ツールが台頭していく可能性は十分あるでしょう。

PowerPointやCanvaはHTMLを直接インポートできないため、どうしても型崩れしてまうが、Figmaであればプラグインを利用して直接取り込めるため、互換性も高い。

💡 GensparkのAIスライド機能は現在、無料で試すことができます。詳しくは次のセクションをご覧ください。Gensparkで生成したスライドをFigmaで編集する方法については、KEITOさんのYouTube解説が参考になります。

③ Microsoftが「生成AIで作成した広告を公開したが誰も気づかなかった」と発表

先月SNS上で大きな話題を呼んだGPT-4oの画像生成機能が「GPT Image 1」としてAPIで提供開始され、早速公式発表にて多くの活用例が紹介されています。

OpusClipからはYouTube等の動画サムネイルを生成するサービスが発表されているほか、Photoroomでは自社製品の画像をアップロードしてプロモーション素材を作成できる機能が発表されており、AIモデルにアパレルを着用してもらったり、日用製品が自然に溶け込むシーンを簡単に作成したりすることが可能です。

またFloraでは、様々なAIモデルを組み合わせて製品プロモーション素材を作成することができます。GPT Image 1でモデルの髪色を変更したり、モデルと商品の写真を自然に合成したりする編集はもちろん、Klingを組み合わせることで静止画を動かすこともでき、近未来的なワークフローを体験できます。

こういったツールはクリエイティブ制作におけるアイデア出しやイメージの擦り合わせに活用できるのはもちろんのこと、特に海外では完成物に取り入れるような動きも見られ始めています

Microsoftは4月23日、自社ブログで「生成AIを利用して作成した広告を出したが、以降3ヶ月間、AIが使われているとは誰にも指摘されなかった」と興味深い発表をしました。この広告はSurface Proのプロモーション動画で、YouTubeで何万回も再生されています。もちろん、キーボードを打つ手元のクローズアップなど繊細な動きが必要なシーンの撮影や、フレームの不自然な部分の除去は手作業で行われています。また「ポン出し」は不可能であり、数千ものプロンプトを試行錯誤したとのことです。

それでもAIチャットボット、画像生成AI、さらにはHailuoやKlingといった中国発の動画生成AIを効果的に組み合わせることで、従来の1/10に当たるわずか1ヶ月という短期間で広告制作に成功したと報告されています。

2023年から国内では伊藤園やPARCO、世界的にはVolvoなど、話題性や「AIらしさ」を前面に押し出すクリエイティブ制作がいくつか見られましたが、今後は世界的に「AIのミスが目立たない」場面での制作費削減を目的とした事例が少しずつ増えていくことが予想されます。

2. SNSで話題のAIツールをピックアップ!

  • 先週「AIスライド機能」をリリース。生成デザインの品質が非常に高い上、編集可能であることから、実用的と大きな話題に

  • AIによる修正指示はもちろんのこと、テキスト部分については修正箇所を指定して手直しすることも可能

  • スライド作成時にはweb検索をしてくれるほか、画像・動画も挿入してくれる

  • クレジット制限はあるが、無料でも試すことが可能

Adobe Firefly Image 4 (https://firefly.adobe.com/)

  • Adobeが新たに公開した画像生成AIモデル日本人の描写が得意であるほか、ビジネス用途のイメージ写真の生成に強い

  • アスペクト比指定、画像によるレイアウト指定・スタイル指定など、機能もかなり豊富

  • 無料でも10回、40枚の画像を生成することが可能。「Adobe Firefly Image 4」「Adobe Firefly Image 4 Ultra」の2つのモデルがあり、どちらも試すことが可能

さいごに

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