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実用性全振りのClaude 4がついに公開!OpenAIとは異なる独自路線を切り開く
他にも...OpenAIがApple伝説のデザイナー率いるAIハードウェア企業買収を発表

NoLang運営チームよりお届けしている、Mavericks AIニュースをご覧いただきありがとうございます!

1. 直近のビッグニュースTop 3
① 待望のClaude 4がリリース。ベンチマークに見切りをつけて独自路線へ
Claude 3のリリースから14ヶ月半を経て、Anthropic社がついにClaude Sonnet 4、Claude Opus 4をリリースしました。しかしその発表内容は意外なものとなりました。
Claude Sonnet 4は、エージェント的コーディング能力を測る「SWE-bench Verified」において、Claude 3.7 SonnetやOpenAIのo3を上回るスコアを達成した一方で、他の多くのベンチマークではClaude 3.7 Sonnetと同等か、場合によっては下回る結果となっています。

Claude Opus 4, Claude Sonnet 4、既存モデル間における主要ベンチマークスコアの比較
(Anthropic)
しかし、これをAnthropic社の技術力不足と捉えるのは適切ではなく、むしろ同社がOpenAIやGoogleとは異なる路線を進もうとしていることの表れと見るべきだと考えます。
公式発表の冒頭で「これら(Claude 4)はコーディング、高度な推論、AI エージェントの分野で新たな基準を打ち立てた」と述べられている通り、Claude 4はコーディングとツール活用に特化したモデルとして位置づけられています。実際、弊チーム内でもSNS上でも、Claude 3.7 Sonnetと比較してコーディング能力が着実に向上しているという評価が大半を占めています。
またClaude 4のリリースと同時にClaude Codeのアップデートも発表され、やはり同じ方向性が見て取れます。Claude Codeは、ターミナルのようなCLI上でAIエージェントを操作できるコーディングツールであり、自然言語で指示を与えるだけでファイル編集・テスト実行・Git操作といったあらゆるコーディングタスクを実行してくれます。
このツールもDevinやCursor(Agent Mode)といった競合ツールと並んで高い評価を得ています。Anthropic社自身も積極的に活用しており、「Claude Codeの約80%はClaude Code自身によって書かれた」†という興味深い事実も明かされています。

Claude Codeの使用画面。ターミナルに指示を記述した後、実行して結果を待つだけというシンプルな操作画面だが、それゆえ取っ付きにくくもある。
Claude 4リリース後のAnthropic社の動向を見ても、音声対話機能のリリースやweb検索機能の無料ユーザー向け解放など、いずれも開発者にとって有用な機能が優先されており、対して画像生成機能はいまだに搭載されていません。
Claude Codeについても、社内での試験リリースが好評だったことを受けて一般公開に至ったと語られており、今後も同社が抱えるエンジニア・リサーチャー・プロダクトマネージャーをペルソナとして据えた独自路線を進んでいくのではないでしょうか。
† もちろんこれはClaude Codeの導入がコーディング時間を80%削減したことは意味しません。実際には人間による精緻なレビューや、量的に僅かだが時間のかかる修正が多数行われていると考えられます。
💡 Claude 4 Sonnetは無料ユーザーでも試すことが可能です。Claude 4 OpusはPro, Maxプランユーザーに向けて公開されていますが、Proプランではレート制限が非常に厳しい点に注意が必要です。
② OpenAIがApple元デザイン責任者率いる企業を買収、次世代AIデバイス開発へ
5月22日、OpenAIがAppleの元最高デザイン責任者であるジョニー・アイヴ氏が率いるAIハードウェア企業「io」の買収を発表しました。Bloombergによれば、買収額は65億ドル(約9300億円)に上り、2026年に最初のAIデバイスをリリース予定とされています。

(左)アイヴ氏と(右)アルトマン氏が対談する様子
(OpenAI)
・ポケットサイズで文脈を理解し、画面を持たず、ウェアラブル(眼鏡など)ではない
・ユーザーの生活や周囲の状況を完全に把握し、日常生活に溶け込むAIコンパニオン
・MacBook ProやiPhoneに次ぐ「第3の主要デバイス」として机に置かれることを想定
・(アイヴ氏)スマートフォンがノートPCを駆逐しなかったのと同じように、スマートフォンを駆逐するとは思っていない
つまり、この新デバイスではAIとの主要なコミュニケーション手段が画面ではなく音声となり、スマートフォンとは異なる新しい体験の提供を目指していると考えられます。
また業界アナリストのMing-Chi Kuo氏によるリークでは、「首にかけて着用する使い方が想定されている」と明かされています。
AI時代の次世代デバイスをめぐっては、これまでにもいくつかの試みがなされてきました。2023年11月にはHumane社がコートの襟などに装着して使用する「AI Pin」を発売し、2024年4月にはRabbit社がディスプレイを搭載したモバイル端末「rabbit r1」をリリースしましたが、いずれも発売直後から厳しい評価を受ける結果となりました。
これらの製品が直面した問題は、AIの回答精度や応答速度といったソフトウェアの課題、バッテリー持続時間の短さといったハードウェア上の課題に加え、何より既存のモバイル端末とは差別化された新しいユースケースを創出できず、実用的な価値を提供できなかった点にありました。

(上)Humane AI Pin。コートの襟などに装着して使用し、スクリーンを持たない代わりに、音声・ジェスチャーで指示することができ、手のひらに画面を投影する機能もある。
(下)rabbit r1。こちらはスクリーンを持つモバイル端末。
しかし、当時と比較すると状況は大きく変化しています。画像認識の精度については依然として改善の余地があるものの、LLMの誤回答率は大幅に低下し、ツール活用に必要なエージェント能力も飛躍的に向上しました。さらに音声合成技術の発展により、人間さながらの自然なAIとの対話が実現可能になっています。
買収先であるio社を率いるジョニー・アイヴ氏は、AppleにおいてiMac、MacBook、iPod、iPhoneなどのインダストリアルデザインを手がけた「伝説的なデザイナー」として知られています。技術基盤が整ってきた現在の環境において、同氏がOpenAIとタッグを組み、どのような革新的な体験を提供するデバイスを世に送り出すのか、注目せずにはいられません。
③ プレゼン生成が得意な新たな汎用AIエージェント「Skywork」が突如リリース
現在GensparkやManusといった、リサーチや資料作成など広範なタスクをこなしてくれる汎用AIエージェントが大きな注目を集めていますが、新たに「次世代のAIワークスペースエージェント」と謳ったSkyworkがリリースされ、それらに匹敵する性能だと話題を集めています。
機能が豊富なだけに、実際の動作を見た方が簡単に概要を理解できるでしょう。是非以下のデモ動画よりご覧ください。
やあ、「Skyworkスーパーエージェント」だよ!
新世代のAI職場パートナー、よろしくね💼✨
8時間かかってた仕事も、たったの8分に。
あなたの働き方、まるっと進化します!
👉 Skywork.ai— Skywork(スカイワーク)日本公式 (@skywork_ai_jp)
10:50 PM • May 25, 2025
SkyworkはGensparkと同様、シート分析、スライド作成などオフィススイートに特化した機能を提供しており、特にスライド生成におけるデザイン能力は極めて高いです。画像や論文内の図を抽出して適切に配置したり、複雑なレイアウトを使いこなしたりするなど、他のスライド生成AIツールでは見られない能力を持っていることから、独自フローが組まれていると推察されます。

Skyworkによって生成したスライド。生成スライドのテキストは基本的に書き換え可能である。ただし、実際にはスライドが一部はみ出てしまうなど、厄介なミスが発生するケースも多い。
一方で、Manusと同様に独自の開発環境(Ubuntu環境)を有し、Pythonを用いたデータ分析やウェブアプリの構築、さらには公開ネットワークへのデプロイまで全て実行できる点も強力です。
このツールを開発するSkywork社はどんな企業なのでしょうか?同社はこれまで独自LLMや動画生成AIモデルの開発を進めており、基盤モデルの開発をも行える高度な技術を有しているでしょう。その親会社は中国のKunlun Tech社であり、ブラウザで有名なOpera社を傘下に持つ大手インターネット企業です。
興味深いことに、Manusを運営するButterfly Effect社は中国を拠点とするスタートアップであり、Gensparkを運営するMainFunc社も拠点こそカリフォルニアの米国企業ですが、創業者2名は共に百度(Baidu)の幹部です。
このように汎用AIエージェントサービスの開発においては中国系の企業が台頭しています。今後もこれら企業は、アウトプットの質よりも速度が優先される場面で役立つような「何でも屋AI」の開発でリードしていくのではないでしょうか。
💡 Skyworkは現在無料で試すことが可能です。詳しくは次のセクションをご覧ください。
2. SNSで話題のAIツールをピックアップ!
Skywork (https://skywork.ai/)
スライド生成、シート分析、webアプリ作成など広範なタスクを遂行してくれる汎用AIエージェント
特に生成スライドのデザインが高いと評判であり、webから取得した画像も綺麗に挿入してくれる(前セクション参照)
さらに生成されたスライドのテキストも修正可能
6月1日現在、無料でも500クレジットが付与され試せる。さらにデイリーログインボーナスによって翌日以降も1日500クレジットが付与

Manus (https://manus.im/)
今年3月に世界中で大きな話題を呼んだ汎用AIエージェント。以前は限られたユーザーにのみ提供されていたが、一般提供が開始され、誰でも利用可能に
さらに先週「Manus Slides」がリリースされ、スライド生成機能が強化
実行可能なタスクは多岐に渡るが、まずはこちらに掲載されているユースケースから興味のあるタスクを見つけて、真似してみるのがおすすめ
6月1日現在、無料でも1000クレジットが付与され試せる。さらにデイリーログインボーナスによって翌日以降も1日300クレジットが付与
さいごに
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生成AI特化開発チームMavericksは、AI分野における深い知見と高度な技術力を活かし、多岐にわたるAIプロダクトの開発に取り組んでいます。これまでに、
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— マーベリック|生成AI@NoLang (@sayhi2ai_jp)
12:52 AM • Mar 17, 2025