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これが欲しかった!Canvaが編集可能なデザインを生成するAI機能を発表
ChatGPTが過去のすべての会話を参照して回答可能に

NoLang運営チームよりお届けしている、Mavericks AIニュースをご覧いただきありがとうございます!

📚 目次
1. 直近のビッグニュースTop 3
① どんなやりとりも思い出せる。ChatGPTが過去のすべての会話を参照して回答可能に!
② Canvaが「皆が待ち望んだ」新AI機能発表。編集可能なデザインを直接AI生成可能に
③ バズワード「MCP」は本当に注目に値するのか?
1. 直近のビッグニュースTop 3
① どんなやりとりも思い出せる。ChatGPTが過去のすべての会話を参照して回答可能に!
OpenAIがChatGPTのMemory機能を大幅アップデートし、過去のすべての会話を参照して回答できるようになったと発表しました。OpenAIによる投稿ではChatGPTと「今週末に話していた内容を思い出してよ」「これって私らしいかな?」といった質問が投げかけられており、まるでSF映画の世界が現実になったかのようです。
Starting today, memory in ChatGPT can now reference all of your past chats to provide more personalized responses, drawing on your preferences and interests to make it even more helpful for writing, getting advice, learning, and beyond.
— OpenAI (@OpenAI)
5:06 PM • Apr 10, 2025
ChatGPTが過去のどんなやりとりも思い出してくれるという、まさに夢のような機能ですが、実用性はどうなのでしょうか?私自身この機能にアクセスできたので、実際の使用感をお伝えしていきます。
まず興味深いのは、「やり取りの総回数は?」といった質問に対して答えてくれることです。これまで積み重ねてきたChatGPTとの対話の歴史を振り返ることができ、特に長きに渡って利用してきた方にとっては感慨深いものがあるでしょう。

やり取りの回数について、何度質問を再実行しても「518回」という回答が返ってきた(ただし別スレッドを立てて再び質問すると、リバースエンジニアリングを防ぐためか一貫性がなくなる)。筆者はメモリ機能を長らくOFFにしており、その間のやり取りはカウントされていないようである。
一方で、上記のような特別ケースを除き、基本的に過去の会話内容は「うろ覚え」であり、具体的なやり取りの日付や原文を教えてくれない上、ハルシネーションも多発します。過去の各やりとりの要約のみにアクセスできるような状態と推測されます。また過去の会話内容を学習していないことがほぼ確実であり、やり取りが蓄積されてもユーザーへのパーソナライゼーションが無制限に進むわけではないようです。

(上)Adeptという企業についてのある会話(他にAdeptに関する会話は一切なかった)
(下)Adeptについての過去の会話を思い出させた結果。本来の会話内容とは全く関係のないデタラメが出力に含まれている。
それでもこの機能が非常に興味深いのは、GPT-4o, GPT-4.5が「あたかも全て覚えている」かのように自然に答えてくれるところです。これにはGPTシリーズのモデルの飛躍的なEQ向上が大きく寄与していると考えられます。
昨年までのChatGPTで生成される文章はどこか人間味に欠け、物分かりの悪い印象でした。しかし特に今年2月のアップデート以降、GPT-4oはユーザーの語り口に合わせて柔軟に説明の厳密さを調整したり、次の質問候補を積極的に提案するなど、人間らしく話しやすいモデルへと進化しています。それゆえ、曖昧な記憶からも思わず私たちが「よく理解してくれている!」と頷くような回答を生成できてしまうのです。
AIが正確な長期記憶を獲得するにはまだまだ時間がかかるかもしれません。それでもOpenAIの「Advanced Voice Mode」や「Sesame」などの直近の音声合成技術の進化も踏まえると、AIが急速に「人間らしさ」を獲得しつつあると感じます。
💡 ChatGPTのアップデートされたMemory機能は、Proプランの全ユーザーとPlusプランの一部ユーザーに向けて提供が開始されています。
② Canvaが「皆が待ち望んだ」新AI機能発表。編集可能なデザインを直接AI生成可能に
Canva社が年次カンファレンス「Canva Create 2025」において、AIを活用した包括的なツール群「Visual Suite 2.0」を発表しました。この機能によりポスター、SNS投稿、グラフなどあらゆるデザイン素材をCanvaのプラットフォーム上で直接生成できるようになりました。以下の投稿に要点がよくまとまっていますので、ぜひご覧ください。
Canvaの大発表があまりにもすごい。
ㅤ
AIでコードを生成したり、Canvaだけのスプレッドシートが登場したり...
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衝撃的な発表5選をまとめました👇🧵— すぐる | ChatGPTガチ勢 𝕏 (@SuguruKun_ai)
12:22 PM • Apr 11, 2025
最近、Claude ArtifactsでHTMLベースのデザインを生成したり、GPT-4oで画像生成を活用してポスターを作成したりする方法がよく話題になっています。しかし、これらのAI生成デザインを編集しようとすると多大な時間がかかり、高品質なアウトプットが求められないカジュアルな場面に利用が限定されるという課題がありました。
一方でCanvaの新機能で生成されたデザインは、各オブジェクトの位置を自由に調整したり、新たなオブジェクトを追加したりといった事後編集が直感的かつ簡単に行えます。
Canva社は生成AIブーム初期から一貫してAI機能の拡充に注力してきました。画像編集機能だけを見ても、部分修正やオブジェクトの除去など、実用的な機能が網羅的に実装されています。今回の新機能と組み合わせることで、AIが大枠を生成し、イメージと違う部分をAIと人間により適材適所で修正していくという理想的な制作フローが実現できるはずです。
現時点でCanva社はVisual Suite 2.0の正確なリリース予定日を公表しておらず、実際にどれほど多様で実用的なデザインを生成できるのかという詳細も明らかにされていません。しかし、コンテンツ制作に絶大なインパクトをもたらす可能性を秘めており、続報に注目したいところです。
③ バズワード「MCP」は本当に注目に値するのか?
Anthropic社が昨年11月に発表した「Model Context Protocol (MCP)」がここに来てバズワードとなっています。Googleトレンドを見ると「MCP」の検索回数はここ数ヶ月で急増していますが、この技術は本当に注目に値するものなのでしょうか?

Googleトレンドで日本(左)およびアメリカ(右)における、過去90日間の「mcp」のキーワードボリュームを調査した結果。どちらの国でも特に3月以降検索数が急増している。
「MCP(Model Context Protocol)」は、AIモデル(特にLLM)を外部のデータやツールと連携させるための標準規格です。現在はClaudeのデスクトップアプリやCursorなどで利用可能であり、開発者でなくても簡単にLLMの能力を拡張できるようになっています。
LLMが外部のデータにアクセス可能になることで、RAG形式で文書を検索して回答できるようになります。またLLMにツールを操作させることも可能であり、Slackにてメッセージを自動送信したり、Perplexityを使ってweb情報を取得したり、さらには自然言語でBlenderを操作したりといったことまでできるようになっています(他のユースケース)。
MCPはあくまで「標準規格」であり、MCPの登場により技術的に新たに可能になったことは何一つありません。それでも本来開発者が、データソース、ツール一つ一つに対して、他者が実装した連携用プログラムの使い方をキャッチアップし組み込む必要があったのが、ルールが標準化されることで、他者が作った連携用プログラムを開発者・非開発者問わず、簡単に利用可能になったという点が重要です。

MCPの図解。Claude, CursorといったアプリとSlack, Gmailといったツールを連携する際に準拠すべき規格であることから、「USB Type-C」のようなものと説明される
(引用元)
標準規格はそれ単体では価値を持たないものですが、多くの人々に使われ、コミュニティが形成されてくると、絶大なインパクトを持ち始めます。そして、MCPはまさにそのデファクトスタンダードになりつつあると言えます。
実際先月末には競合のOpenAIがChatGPTのデスクトップアプリおよびAPIをMCPに対応させる予定であることを発表しました。つまり、我々が慣れ親しんだChatGPTのインターフェースで、様々な拡張機能を利用可能になるということです。
「LLMを使えるアプリ」×「外部データ・ツール」の組み合わせが無数にある中で、このようにMCPに対応するデータソース・ツールが増え、その流行に遅れまいとアプリ側が対応を進めるといった動きが活発化することで、あらゆるアプリであらゆる拡張機能を利用できる「好循環」が生まれる可能性がある点が、最もMCPが期待されている理由でしょう。
現状のAIエージェントはManusに見られるように、高確率でどのツールを使用すべきか正確に判断し、行動できる水準まで達しているものの、100%にはほど遠く、実用的なユースケースは少ないのが現状です。
それでも今後LLMの性能が向上することで、AIエージェントの能力が実用レベルに到達する可能性があることを踏まえると、MCPのような標準規格が流行し、AIエージェントのための環境が整備されていくこと自体に大きな可能性を感じます。
そして長期的には「SaaS利用代行AI」が流行することで、SaaS開発企業がAIファーストな設計を重んじるような新しいパラダイムが幕を開けるかもしれません。ただしここでいう「AIファースト」がMCP等で呼び出されることを想定したAPIを備えた形式なのか、はたまたOpenAI Operatorのようなブラウザでの利用さえできれば十分な形式なのかは、まだ分からないでしょう。
💡 MCPについてもっと詳しく知りたい方は、まずはKDDIアジャイル開発センター株式会社の御田稔氏が公開しているこちらの資料に目を通すのがおすすめです。
2. SNSで話題のAIツールをピックアップ!
Napkin AI (https://www.napkin.ai/)
テキストから分かりやすいポンチ絵を瞬時に生成してくれるサービス
先日新たに生成された絵をPowerPoint, Canva, Googleスライドで編集可能になり、実用性が大きく向上
複数の図解方法から選択→その後複数のスタイルから選択といった形で自分の気に入った絵を選べるのも魅力的
現在はベータ版であり、無料で全機能を利用可能

Dify (https://dify.ai/jp)
LLMを使用したアプリケーションを開発できるノーコードツール
ブロックを繋げて直感的に操作できることから、コーディング知識がなくてもアプリを作れる
チュートリアルや日本語記事が充実しており試しやすい。話題のMCPにも対応
無料でも利用可能で、5つのアプリを作成可能

さいごに
最後までお読みいただきありがとうございました。
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運営元の紹介
生成AI特化開発チームMavericksは、AI分野における深い知見と高度な技術力を活かし、多岐にわたるAIプロダクトの開発に取り組んでいます。これまでに、
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ほしいAIがすぐに見つかる「👋sayhi2.ai (Say Hi to AI)」
生成AIアップスケーラー「🥩カクダイV1」
といったプロダクトをリリースしてまいりました。
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— マーベリック|生成AI@NoLang (@sayhi2ai_jp)
12:52 AM • Mar 17, 2025