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AIブラウザの正解はこれだ。Arc開発元が次世代ブラウザ「Dia」をリリース
他にも...ByteDanceがユーザー評価でVeo 3越えの動画生成AI「Seedance 1.0」をリリース

NoLang運営チームよりお届けしている、Mavericks AIニュースをご覧いただきありがとうございます!

1. 直近のビッグニュースTop 3
① AIとブラウザはここまで融合できる。次世代ブラウザ「Dia」がβ版リリース
Arcブラウザの開発で知られるThe Browser Companyが、AI機能を全面的に統合した新しいブラウザ「Dia」をβ版として公開しました。私も早速利用してみましたが、これまでのAIブラウザとは一線を画す完成度の高さに驚かされ、まさにAIブラウザの「正解」を突きつけられているような感覚でした。
同社CEOのJosh Miller氏によるX投稿では、Diaの主要機能を紹介するデモ動画が公開されています。ツリーの最下部までに合計3つ掲載されているので、是非ご覧ください。
Dia’s most popular feature (so far) is chatting with your tabs.
Chat with a YouTube video.
Chat with a FigJam board.
Chat with Google Calendar.
The killer feature here is the automatic context from your tabs. No copy-and-pasting. No need to set context, Dia just knows.
— Josh Miller (@joshm)
1:05 PM • May 14, 2025
しかしこれらの動画だけを見るだけでは、Diaの有用性を十分に理解することは難しいと感じます。そこでここでは、Diaの4つの革新的な機能についてより詳しく解説していきます。
(1) ChatGPTに質問するか?Google検索するか?もう迷わない
誰しもChatGPTやGeminiなどのAIチャットツールを初めて使い始めた際、この質問はAIに聞くべきか、それとも従来のGoogle検索を使うべきかと迷った経験があるのではないでしょうか。Diaではユーザーの入力内容を解析し、最適な選択肢を自動的にレコメンドしてトップに表示してくれます。

Diaではまず、ChatGPTのような、しかしどこかGoogle検索を彷彿とさせるホーム画面が表示される。単語を入力した場合は基本的にGoogle検索がおすすめされ、疑問文で終わるような質問を入力すると、LLMによる回答がおすすめされる。
もちろん、レコメンドに従わずに自分の好みの方法を選択することも可能です。また現在AIチャット機能にはGPT-4.1が採用されていることから、回答品質も高く保たれています。
(2) AIがブラウザ内に統合され、コピペやタブ切り替えから解放
従来AIチャットツールを利用する際は、閲覧中のページ情報をコピーし、チャット画面にタブを切り替え、内容をペーストしてから質問を入力するという煩雑な手順が必要でした。しかしDiaでは、ワンクリックでサイドバーにチャット画面が表示され、webページの内容やドラッグで選択したテキストが自動的に添付された状態で開始できます。
例えばGmailではメールのやり取りを読み込んで返信案を生成してもらい、さらにワンクリックでその内容を挿入することまで可能になっています。YouTube画面では動画内容についてタイムスタンプ付きで質問や要約を求めることもでき、非常に画期的な機能と言えるでしょう。

DiaではYouTubeの内容について質問したり、タイムスタンプ付きの要約を取得したりすることが簡単に行える。特に要約では、タイムスタンプから動画の該当箇所にジャンプできる点が魅力的。
(3) 過去に訪れたページ情報にも簡単アクセス
Diaでは現在閲覧中のwebページだけでなく、過去に訪れたページの情報にも@によるメンション機能を使って簡単にアクセスできます。さらに「開いている全てのタブ」をまとめて指定ですることもでき、例えばオンラインショッピングで複数のサイトを巡回した後に「どれが一番安かった?」「他に類似の商品はない?」といった横断的な質問を投げかけることが可能です。
(4) ショートカット機能で業務をさらに効率化
頻繁に使用するプロンプトをショートカット形式で登録し、必要な時に瞬時に呼び出せる「スキル」機能も搭載されています。一見シンプルな機能に思えますが、ブラウザに組み込まれることで真価を発揮します。
例えばGrammarlyのような英語文章校正機能をスキルとして登録しておけば、Gmail、Notion、Googleスライドなど、どのようなwebサービスを利用している際でも瞬時にアクセスできます。さらに補完機能も備わっているため、登録名を忘れてしまった場合でも簡単に呼び出すことができる便利さも魅力的です。

Diaではお気に入りのプロンプトを「スキル」として登録し、スラッシュコマンドでいつでも呼び出せる。プロンプトには上述のメンション機能を使ってwebページ情報も含めることができる。
② AIはブラウジング体験をどう変えるのか?Diaのビジョンを読み解く
もちろんDiaはまだベータ版ということもあり、性能・機能面で不十分な点も少なくありません。AIチャットとGoogle検索の使い分け判断アルゴリズムの精度は決して高いとは言えないほか、複数のwebページをメンションしながら複雑な指示を出すと、GPT-4.1では処理しきれず、回答品質が低下してしまうケースも発生します。
それでもDiaは、これまでで最もシームレスにAIとブラウザを融合し、どのプロダクトも実現できていなかった新しいブラウジング体験を提供していることは間違いないでしょう。そしてDiaが示した中長期的な次世代ブラウザの方向性にも非常に興味深いものがあります。

Josh Miller氏が示したDiaが解決すべき3つのAIチャットの課題(X)
CEOのJosh Miller氏は、Diaのビジョンとしてブラウジング履歴に基づいたパーソナライゼーションを強化していく方針を明らかにしています。
現在のパラダイムでは、文体を好みに整えたり、好みの商品を提案したりできるパーソナルAIを構築するためにブラウジング履歴の取得は不可欠である一方、この情報を直接取得できるのはブラウザのみです。Diaのリリースはこの構想の実現に向けた重要な一歩と位置付けられるでしょう。
また同氏は、さらに挑戦的なビジョンとして、独自のショートカット機能「スキル」を進化させ、誰でもノーコードかつ簡単にカスタムツールが作れるようにしていくとも語っています。
例えば前節で紹介した英語文章の修正を行うスキルは一種の「パーソナライズされたGrammarly」であり、現在はまだその内容を詳しくプロンプトで記述する必要がありますが、パーソナライゼーション機能が発展していけば、仕様を詳細に言語化しなくても大雑把な自然言語指示でカスタムツールが作れるようになる可能性があります。
先日のGoogle I/Oでも、Google社製品に蓄積されたデータによるパーソナライゼーション機能の導入が発表されました。技術発展によって、このような機構がいつ大きな付加価値をもたらせるようになるのか引き続き動向を注視したいところです。
💡 Diaは現在Apple Silicon Macにて無料で利用可能です。詳しくは次のセクションをご覧ください。
③ ユーザー評価でVeo 3越え!ByteDanceが動画生成AI「Seedance 1.0」をリリース
TikTok運営元のByteDance社が、動画生成AI「Seedance 1.0」をリリースし、業界に大きな衝撃を与えています。
Artificial Analysisが発表したリーダーボードにおいて、Image to Videoカテゴリにおいて、あのGoogle Veo 3を100ポイント以上上回ってトップの座を獲得したのです(6月9日時点)。それでいてVeo 3の10分の1の価格で提供†されるなど、手頃なモデルとなっています。
It's over.
Bytedance just dropped Seedance 1.0, the best AI video model in the world.
Nothing is real anymore...
Here are 10 insane examples:
— Angry Tom (@AngryTomtweets)
10:26 PM • Jun 16, 2025
昨年は「動画生成AIの年」と呼ばれ、OpenAIのSora発表を皮切りに、同程度の性能を持つ動画生成AIが立て続けにリリースされましたが、ここにきてさらに競争が激化しています。
先週だけでも、画像生成で高い評価を得ているMidjourneyとNijinourneyが満を辞して動画生成AI機能をリリースしたほか、中国のMiniMax社からはHailuo 02がリリースされました。そしてSeedanceを含むこれらの最先端動画生成AIモデルの優劣は一概には判断できず、用途やニーズに応じて最適なツールが変わるレッドオーシャン状態となっています。
その中でもMidjourneyは、優れた生成体験により世間から高い評価を受けています。画質こそ480pと低解像度ながら、1回の生成で4つの動画が同時に作成され、月額60ドルで無制限に動画を生成できるというスキームを採用しています。現状の動画生成AIが抱える「意図に沿った動画生成の困難さ」と「生成単価の高さ」という深刻な問題を考慮すると、このアプローチは非常に魅力的と言えるでしょう。
一方で、Midjourney社は重大な法的問題に直面しています。同社はDisneyおよびUniversalから著作権侵害で提訴されており、訴状には著作権で保護されたキャラクターと酷似したキャラクターが映る生成画像の具体例が、何十ページにもわたって詳細に掲載されています。

Midjourneyは「アナ雪」「モンスターズ・インク」などに登場する著作権保護されたキャラクターとほぼ同一のキャラクターを生成できてしまう。
(Vergeに掲載された訴状より)
著作権コンテンツを学習させるのに加え、著作権に配慮した最低限の生成規制すら設けていない同社にとって、反論が困難な手痛い打撃となっています。ハリウッドの大手スタジオによる初のAI企業提訴であることから、その判決内容と業界への波及効果に大きな注目が集まっています。
💡 Seedance 1.0は、例えばFal.aiにてAPI経由で利用できます。
2. SNSで話題のAIツールをピックアップ!
Arcブラウザの開発元The Browser CompanyがArcの開発を中止してまで開発・リリースした次世代AIブラウザ
AIとブラウジングが極限まで融合されており、AIを使う際のコピペやタブ切り替えの回数が最小になるように設計されている
他にも、過去閲覧したページを@メンションで付与したり、補完機能付きのショートカット機能が用意されたりするなど、とにかくUXが洗練されている
現在はApple Silicon Mac対応版のみがリリース。ウェイトリストが設置されているが、Arcメンバーであればすぐに利用開始できる

Hailuo (https://hailuoai.video/)
RunwayやGoogle Veoなどと並んで有名な動画生成AIツール。先週新モデルHailuo 02がリリースされたばかり
昨年までと異なりほとんどの動画生成AIツールが無料で利用できなくなっている中、十分な無料枠が用意されており、とりあえず最先端動画生成AIを触ってみたいという方にもおすすめ
新規サインアップで動画生成20回分のクレジットが無料で付与

さいごに
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運営元の紹介
株式会社Mavericksは2023年、世界に先駆けてリアルタイム動画生成AIサービス「🐬NoLang」をリリースし、現在13万超のユーザーを抱えるまでに成長してきました。法人向けの展開も行い、法人プランのユーザー数は40社を突破しています。また、大手企業との協業や独自開発案件にも着手しており、唯一性の高い価値創出が加速しています。
今後、NoLangを中核に据えながら事業をさらに成長させるべく、エンジニア・デザイナー、営業・マーケティング担当、そして全方位で学生インターンの募集を開始しています。法人営業の担当や、SNS運用などに興味のある方も、ぜひこちらのフォームより一度ご応募ください。
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12:52 AM • Mar 17, 2025